排水口トラップの掃除方法を解説!中までキレイにして臭いやつまりを防ごう

目次

排水口トラップは、キッチンシンクや浴室などの水が排出される場所に設けられた装置です。まずは、排水口トラップがある理由や仕組みについてご紹介していきましょう。

排水口トラップの仕組みと役割

排水口トラップは排水口の一部に水を溜める装置です。蛇口から流れた水は排水管の途中にある排水口トラップにいったん留まります。

溜まった水は再度流れて汚水ますに溜まり、異物や油分を分離した後、下水として流されていきます。

もしも排水口トラップがない場合、汚水ますやその先の排水管から悪臭や害虫が上ってくる恐れがあります。

いうなれば排水口トラップは、排水管に水で「ふた」をする役割を持っているのです。このふたになっている水は「封水(の水)と呼ばれます。

排水口トラップにはさまざまな形状がありますが、主なものは以下の5点です。

ワントラップ

「ワン」とは「椀」のことです。

排水口の下に、おわんを伏せたような形で排水口をふさいでいるタイプです。

水はお椀の周辺にドーナツ状に溜まり、ある程度溜まると流れていきます。

ボトルトラップ

排水口直下に設置されたボトル型のトラップです。

水が流れると、水は排水口を通ってボトルトラップに溜まります。ある程度水が溜まると、ボトル側面についている排水口へ水が流れていく仕組みです。

Pトラップ

Pトラップは、排水管を「P」の文字を右に倒したような形状をしたものです。

カーブした部分に水が溜まり、封水の役目を果たします。

ある程度水が溜まると封水の水位が上がって水が流れていきます。

Sトラップ

Sトラップは、排水管を「S」の字状にカーブさせたものです。Pトラップと同じくカーブしたところに封水が溜まり、ある程度溜まると再び流れていきます。

PトラップとSトラップの違いは、排水が流れていく先にある「排水穴」の位置です。

Pトラップは壁、Sトラップは床に排水穴がある場合に適しています。

Uトラップ

Uトラップは「U」の字状に排水管をカーブさせ、カーブした箇所に封水を溜めるものです。壁から排水が入り、また壁から出ていく構造になっています。

出入口ともに水平になっているため汚れが溜まりやすい点がネックで、建物の構造上やむを得ない場合にのみ採用されます。

排水口トラップは害虫や臭いを防ぐ大切な役割を持っていますが、水が溜まるということはそれだけ汚れが溜まりやすいということでもあります。

排水口トラップに汚れが溜まると、以下のようなトラブルが起こる危険性があります。

トラップが汚れがつまりの原因になる可能性

排水口トラップ周りの汚れは水が流れにくくなりつまりの原因になります。

汚れ自体の蓄積ももちろんですが、油汚れから雑菌が繁殖し、ぬめりの原因となるバイオフィルムを形成することによって、さらにつまりやすくなってしまうのです。

流れのよくない排水口は悪臭の原因に?

排水口トラップを汚れたまま放置していると、封水と一緒に溜まった食べかすや脂が腐敗し、不快な臭いを発します。悪臭は排水口を通って部屋中に広がってしまう場合もあります。

それほど汚れてないうちであれば、排水口トラップはご家庭で掃除できます。

今回は特に家庭用キッチンで多く採用されているワントラップ及び、P・S・Uトラップの掃除方法をご紹介します。

ワントラップの場合

【準備物】

  • ゴム手袋
  • ブラシ(使い古した歯ブラシも可)
  • シンク掃除用のスポンジ
  • キッチン掃除用の中性洗剤
  • 重曹
  • クエン酸

【手順】

  1. 排水口周りのパーツを外す
    ゴム手袋をはめて、ふた、ゴミ受け、ワントラップを外します。ワントラップは回すと外せます。
  2. パーツを洗う
    中性洗剤とスポンジ(もしくは歯ブラシ)を使って、パーツを洗います。特にゴミ受けは細かい目になっているため、歯ブラシで目に詰まったゴミをきちんと落としておくと、雑菌の繁殖を防げます。
    洗剤が残っていると再汚染される恐れがありますので、しっかり水で洗い流すようにしましょう。
  3. 排水トラップ周辺を洗う
    中性洗剤とスポンジ(もしくは歯ブラシ)を使って、排水トラップ周辺を洗います。排水口周辺には溝がある場合も多いので、歯ブラシでしっかり汚れを落としましょう。
  4. 排水トラップ内部を洗う
    歯ブラシとキッチン用の洗剤を使って排水トラップ内部を洗います。あまり強く磨き過ぎると傷ができてしまいますので気をつけましょう。
  5. 排水口内のぬめりを取る
    仕上げに、重曹とクエン酸を使って排水口内のぬめりを取りましょう。
    まず、重曹をカップ1杯分排水口の中に入れ、その上から40℃程度のお湯1カップにクエン酸1/2カップを溶かしたものを注ぎ入れます。重曹とクエン酸が反応し、発泡することで排水口内のぬめり除去が期待できます。
  6. パーツを元に戻す
    パーツを元に戻して掃除完了です。

P・S・Uトラップの場合

P・S・Uトラップは、シンク下のトラップ部分を取り外す必要があります。

【準備物】

  • ゴム手袋
  • ブラシ(使い古した歯ブラシも可)
  • シンク掃除用のスポンジ
  • キッチン掃除用の中性洗剤
  • 排水パイプ洗浄剤
  • バケツなど水を溜められる物

【手順】

  1. パーツを取り外して洗う
    トラップの掃除をする前に、ワントラップと同じくふたやゴミ受けの掃除をしておくと清潔な状態を保てます。
  2. シンク下を片付ける
    シンク下に置いているものや引き出し、配管パネルなどを取り外して作業がしやすい状態にします。
  3. トラップを取り外す
    トラップ下にバケツなどを置き、トラップを外します。トラップの外し方は、掃除口の有無によって変わります。
    パーツが多く元に戻せるか不安な場合は、外す前に写真を撮ったり、外しているところを動画で撮っておいたりすると良いでしょう。
掃除口がある場合掃除口を外してトラップを取り外す
掃除口がない場合トラップの前後についている締め付けナットを緩めて取り外す※他のナットを外さないように注意する
  1. トラップの掃除をする
    排水パイプ用洗浄剤と歯ブラシを使って、トラップ部分のパイプや掃除口をきれいにします。当然ながらシンクは使えませんので、浴室もしくは洗面台など、別の場所で行いましょう。
  2. トラップを取り付ける
    トラップや掃除口を元の状態に取り付け、水を流して漏水していないかを確認します。

確認後、排水口周辺のパーツやシンク下の収納物を元に戻して掃除完了です。

排水口トラップは油断しているとすぐに汚れてしまいます。掃除にも手間がかかりますので、なるべく汚れないように普段から注意したいものです。排水口トラップを綺麗に保つ方法を以下にご紹介します。

排水口トラップの掃除頻度

排水口トラップの掃除は、簡単にする場合は週に1~2回程度、しっかりしたものであれば2週間に1度程度が理想です。

特にパイプ部分がカーブしているタイプのトラップは掃除が大変なため、普段からふたやゴミ受けなどを掃除したり、クエン酸と重曹でパイプ内のぬめりを取ったりしておくと良いでしょう。

パイプクリーナーを定期的に使用する

上記でご紹介した掃除法では、手の届かないパイプ内部を綺麗にすることはできません。

月に一度程度、パイプクリーナーを使用してパイプ内を洗浄しましょう。

パイプクリーナーを使用する際は、取扱い説明を良く読み、ご自宅のパイプに合っているかどうかを確認し、正しく使用することが重要です。

使用後は十分に水を流す

使用後に水を流すだけでも、パイプ内を清潔に保つ効果があります。シンクに少しお湯を貯めて、一気に流すのもおすすめです。栓がない場合は伏せたお皿や水を入れたビニール袋で代替できます。

ただし、熱過ぎるお湯はかえってシンクを痛めてしまう原因になるため注意が必要です。40~50度程度のお湯を使うと良いでしょう。

ゴミ受けを使用する

排水口には必ずゴミ受けを設置しましょう。ゴミ受けがないと大きな食べかすや爪楊枝、ビニールのようなゴミがそのまま排水口に流れてしまい、汚れやつまりの原因になります。

ゴミ受けの掃除が面倒な場合は、使い捨てのゴミ受けネットを利用するのも良い対策です。

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まとめ

排水口トラップの仕組みと掃除法について解説しました。排水口トラップは汚れが溜まりやすいため、こまめな掃除が必要です。

しかし、汚れが広範囲に溜まり過ぎた場合、ご家庭で掃除することが難しくなってしまいます。プロの手を借りて、徹底的に掃除をすることをおすすめします。

排水口トラップが清潔になると、シンクもすっきりして気持ち良く使えます。シンクの水詰まりや悪臭が気になっている方は、プロに掃除を依頼してはいかがでしょうか。